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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆


裏口から駐車場へ向かうと、スーツを着た男性が急いで私達の元へ駆けてきた。

運転席でタバコをふかしている彼は窓を開ける。


『連絡来てますか?ソン・テヒョンです』

彼が一言目に発した韓国語だけ理解出来た。

そこからはスピードが速く感じるし、難しい単語も出てくるし、で到底私には理解できそうにない。

灰が落ちそうになってるタバコを彼の指から奪い取り、代わりに一吸いしてから灰皿へ潰した。最近の高級車は灰皿が付いていない事がネックなのだろう。

それを表すかの様に車内の灰皿は、どこかショップで買ってきた様なモノだった。


「おい、行くぞ」

「え?駐車場入れなくていいの」

「ああ。この人がやってくれる。もう会長室で待ってるんだってさ」


「──誰が?」

「ソウルタワーグループの会長と、ここの支店長」


「へえ……。何パーティー?」

「何パーティーって──。ただのカマシだよ」


自分の耳を疑ったのもつかの間。

彼が車から颯爽と降りて別の人物が扉を開けてくれているエレベーターへ向かって行ったから、そんな疑問をぶつける暇もなく私も背中を追いかけた。

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