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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
「お友達なの?ソウルタワーグループの人と」
「まあ友達っちゃ友達だし、違うっちゃ違うよな」
「何それ。難しい問題ね」
ここのタワーのCMはサファイアじゃない。名前はBADBOYSというアイドルグループ四人組が出演している。バットボーイズは韓国で二番目に大きいSMプロダクション所属だ。
SMとBNが仲良しか、そうじゃないか──何て分からないけど、彼の口からそういった類の話題を聞かない所を見ると関わりもあまり多くないんだろう。
もし、仲良しだったら夕食中にでもいつも通り『昨日は○○会社の○○たちと飲んでて』とか何食わぬ会話の中に一連の名前を入れるはずだ。
「難しくも何もない。普通の事をするんだ、今から」
「向こうにはアポ取ってるんでしょ?」
「ああ。勿論」
何だかんだ話している内に、エレベーター内の電子パネルは最上階の階数である『45』を表示する。下がモールで上が会社になってる『本店』だけあって、さすがの高さ。
エレベーターガールが、笑顔で扉を開けると彼はネイティブらしいお礼を言って、また私を振り返る事なくこの階に一つしかない部屋の扉を開けた。
勿論……ノックはしていない。