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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
「アートと言いますと……あのアート財閥の事でしょうか?」
もう──黙って聞き入るしかなかった。
「はい。」
「………。いや、てっきりCMの件で考え直して頂けたのかと思っておりました」
「───。」
「……何でしょうか?ソン・テヒョンさんは新手のビジネスでも始めたのですか?」
小バカにした様な言い方は、あのフランクとドコか被る。
支店長は何も言わずに黙って二人のやり取りを見ていた。まるで私の様に。
「ははっ、僕が食品会社を買い取ってそこと連携組んでもらうのも有りですかね」
「さすが商売人だ。僕は──アーティストだからそこまでは思いつきませんでしたよ」
机の上に灰皿があるのを見つけたのだろう。彼はいつもの様に私の前で手のひらを見せる。
無言のまま、バッグからタバコとライターを取りだし手の上に置いてあげた。
「例えばですよ、僕がツイッターに『カンナム百貨店の従業員教育は素晴らしい。これは大きくなってもらいたい会社だし、大きくなる事は間違いないだろう』と書き込むと──どうなると思いますか?」
「僕たちサファイアにCMのオファーをくれたソウルタワーさんだ」
「すでにご存じだとは思いますが……僕のフォロワーは全世界で三位。一位はレディーガガで二位はジャスティンビーバー、三位にアジア人で有る僕なんです」
「もちろんKRXでのカンナム百貨店の株価が上昇する事は誰にでも予想できますよね」
KRXとは韓国取引所の事を指す。日本で言うなら『東京証券取引所』と同じ位置に当たり現実的に、この二つは何かややこしい連携を図っていたとおもう。
株価はあんまり興味ないから新聞でもテレビニュースの時でも流し読み・流し聞きが基本だったから、ディティール部分については自信が無いが……。