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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
「あーもしもし?ヒョン?」
「ああ。今、ソウルタワーの会長と一緒に居るんだよ。話がまとまりそうなんだ、電話を変わろうかい?」
「テヒョンさん!失礼ですよ!あの──帝国グループの会長秘書代表なんですから。私が……個人的に折り返しをさせていただきます」
画面を厭らしく私たちに見せる彼。スマホにはしっかりと『通話中』という文字が書いてあった。
「……らしいわ。」
「ああ。」
「ああ。──ははっ。その件についてはまだ何も言えねえけど、今回はキッチリ『前の事』を仕事でお礼返したんだし、ちょっと保留にしてくれよ」
「うん。今も隣でショートケーキ食ってるよ。元気にしてるよ。」
前の件とはきっと私の強制連行問題。
元気にしてる、とは私の事。──ショートケーキなんか食べてないっつーの!
「じゃあ、また掛けるわ」
──一方的に長くなりそうな電話を終わらせた彼は、深く頭を下げると私の腕を引っ張って会長室を出た。
イキナリ出てきた私たちに、驚きながらもエレベーターの扉を開けてくれる女性。
彼は『大丈夫ですから』と一緒に入ろうとするのを静止するなり、またスマホを何やら触り始めた。
とても高級感のある室内で二人。
「ねえ、悪戯ってこういう事?」
「ああ。」
「──で、次は何してるの?」
「ん?ツイッター更新してるんだよ。……まあ見とけ」
ホラッと見せられた彼の投稿画面。
そこには英語で『ソウルタワーグループと熱い話をしてきた。彼達ほど人道的な支援を大事にしているグループは無いと思う。従業員の教育も徹底してるし、デカくなるグループである事は間違いないだろうな』と書いている。
それを『投稿』すると、また私のバッグに勝手に携帯を直した。
「今からカンナム百貨店だ。着いた時くらいにKRXでソウルタワーグループの株価、見てみよう。きっと面白い事になってるハズだ」
「……」
本当に生き生きした顔をしている。
彼は──やっぱり帝国グループの次男だ。アートなんか比べものにならない位の規模の財閥である『帝国グループ』の……。
彼が以前、言っていた『会長のDNA』は確かに存在するのかもしれない。