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シャネルを着た悪魔
第1章 ☆CHANEL NO1☆
平行二重で色素の薄い瞳。そして高くて細い鼻。
顔なんてすごく小さくて、プラダの白色のハットから見える髪は明るい金髪で少し奇抜だった。でも凄くサラサラしてそう。
誰がどう見ても本当に整った顔としか言いようがない。
「ロシア語だな、何て言った?」
彼の英語もイギリス仕込み。
特別スラングを使っている訳ではないけど、声と話し方のせいだろうか?何故か年齢もそんなに変わらないハズなのに威圧感を感じてしまう。
「はい、そうです。と言いました」
こいつロシア語だってなんで分かったんだろう。
そう思いながら再度彼を見つめると、今度は馬鹿にした様に鼻で笑われた。
本気でイラっとしたけど、仕事中だ。と自分に言い聞かせて残りの三人に挨拶をする。
他の男性たちは、みんな物腰柔らかくて格好良くて良い男だった。
最後に、火を貸した男に笑いかけてから自分の席に戻った私。
もしランキングを付けるとしたらナンバーワンはライター男で間が大きくあいて最下位は、『威圧感醸しだし男』だ。
いっその事、シャネル野郎とでも呼んでやろうかな?
何も考えずに適当に支部長と会長が話しているのをうなずきながら聞いていると、部屋の電話が鳴った。
それが合図なのか五人が立ち上がり一礼をしてから部屋を出る。
「ごめんなさいね、彼たちは今アルバム製作中でして。このビル内にあるレコーディング室で今からまた製作に励むんです」
「そんな忙しい時期にすみません。わざわざ同席してもらって」
「いや、強く願ったのは彼たちなんですよ。いつも彼たちは衣装協力は御社にしか頼みたくないって言ってるのでね。」
中々嬉しいな、それは。
「彼たちはレコーディング室にいるんですか?」
「ええ、ヨナさん彼たちのファンでしょう?」
「へっ?!」
「はは、顔を見ていたらわかりますよ。どうですか、ちょっと覗いて行ってみますか」
いきなりの展開に読めないでいる私を察したのか会長は、こんな機会ないでしょうし。と付け足してから私に頷きかけた。
ヨナだけじゃ心配だから私も行ってくれ、という意味だろうか?それとも私も彼達のファンだと思われたのだろうか?
何だか流される様にして頷き返してしまった。
きっとそれがyesのサインだったのだろう。会長は部屋を出て私たちを連れ地下室へ向かった。