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シャネルを着た悪魔
第1章 ☆CHANEL NO1☆
「ここですよ。」
と通された部屋は、素晴らしいという言葉がよく似合う。
インテリアのセンスもそうだし、何よりアーティストが活動しやすそうな場所だった。
「あれ?他のメンバーは?」
「あー、今食堂じゃないですか」
よりによって、残ってるのがシャネル野郎。
何やた難しそうな顔でパソコンと向かいあっている。
「じゃあ皆様食堂に「うわー!すごい!これって…007で使われてた歴代の車だ!!」」
壁に貼られてあるポスターを見て喜ぶ声と会長の声が重なって思わず両手で口を塞ぐ。
それでも———一度興奮してしまったら中々収まらない。
「これはアストンマーチン!あ、このBMWはトランスポーターの初期だよね。今はアウディだし」
「この車はジャガー。確かパリより愛を込めて、で少し映ったんだけど——爆発的に人気になったシリーズだよね」
なるほど~この車のポスターは有名映画で使われてたものを集めてるんだあ、と余韻に浸ったのもつかの間。
会長にクスリと笑われてしまった。
「さきほどよりも、英語が流暢になっていますよ」
「……じゃあ、里紗さんはここでポスターを見ていて下さいね。私たちは食堂を見てきますので」
「いやいやそんな~!付いて行きますよー!って言いたいけど、はぁい。ここで車見てます。」
「存分に見てお腹が空いたら食堂にきてくださいね。うちは美味しいと有名なので」
「え、そんなそこまで申し訳ないですよ!天下のBNさんで食事ま「美味しいって有名なんですね~じゃあ!頂きにうかがいますので!」」
支部長の遠慮なんて聞こえない。食べていけと言われたなら食べて行けば良いんだ。ここでの遠慮なんて可愛くない。
なんてゴモットモそうな事を並べるが私は早くポスターの車が見たいだけだった。
だから早く会話を終わらせたい。その意思が伝わったのか、会長は又優しそうな笑顔を浮かべて部屋を後にした。