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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
彼の予想通り、飲み物を聞かれた私達。彼は格好付けて『コーヒーのブラック』を頼んでいた。本当はレモンティーが良かったんだろうけどね。
私は甘ったるい紅茶を飲んでた。
会長室に入る前に、ミンティアを一気に流し込む彼。やっぱり喫煙者はタバコとコーヒーの組み合わせで起こる『史上最悪の口臭』を気にする必要があるらしい。
「やあ!テヒョン君!元気だったかい?」
どっしりと構えている大きな机の前で彼をハグで出迎えたのは、少し小太りなおじさんだった。気立てが良さそうでソウルタワーグループの会長とは又違った色を持っている。
でも小太りと云えども『カンナム百貨店』の代表だ。
着ているスーツはそれなりに高そうだったし、歯並びも綺麗で真っ白。
ある意味、痩せる事はあきらめたけど他は頑張ってる小綺麗な人だった。
「隣の可愛い女性は彼女かい?」
「日本人ですよ、僕の親戚です」
「ああ!確か君は日本のハーフに当たるもんね。そりゃ親戚に日本人が居ても何ら不思議は無いか!ははっ」
短い片腕を出されたにも関わらず、私は両手で返した。これが年上の方に示す敬意になる、とマナー教室のスパルタ先生に教えられたからだ。
「まあ、座りなよ。こんな時間に訪問してくるって事は何か有るんだろ」
机の上から、オレンジジュースの入った紙コップを持ってきた彼は私たちにも同じのを飲むか?と聞いてくれる。まあ、答えは『NO』だけど。