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シャネルを着た悪魔
第7章 ☆CHANEL NO7☆
「単刀直入に言いますか?それとも、世間話から入りますか」
少しの冗談が場の雰囲気を和ませる。彼は──カンナム百貨店の代表の事をソウルタワーグループの会長よりも知ってるのかもしれない。
「単刀直入に言えば良いよ。君の持ち味はそこじゃないか」
「──アートとの取引を辞めて、帝国グループの息がかかった『味剣』と取引しませんか?」
「帝国?またどうした今度は」
「実は、帝国の会長秘書代表のヒョンと仲が良くて一緒に飲んだりしてるんですけど、食の部門で本気でアートの地位を脅かしたいみたいなんですよね」
「カンナム百貨店と取引できるなら、帝国の格も上がるし……アートと同じ値段、もしくはもう少し低い値段で取引をするって言ってるんです」
「低い値段だったら考えない事もないな。最近、アートの長男の悪い噂ばっかり聞くからね。まあ今までは付き合いも長いし情で取引してたけど、これの度が過ぎる様なら、少し考えを改めるべきだなって副社長とも話しをしていたんだ」
「だけど帝国も帝国で今は大変な時期だろ。その橋渡しになるのが、サファイアのソン・テヒョンなんだ。まさか値段の面だけで──ってワケじゃないだろうな?」
「ははっ、さすが会長!そんなワケないじゃないですか。」
「僕がバラエティでカンナム百貨店のオリジナルラインの服を着るのはどうですか?勿論、バラエティだけじゃなく空港到着時や、人目に付く所で」
彼はさきほどの、会長よりも最前線に立っているからだろうか?
ポンポンと話しを進める代わりに、メリットをしっかりと聞き出そうとしている。いわば東京の商人と大阪の商人みたいなモンだ。見てる限り、そんな違いを覚える。