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シャネルを着た悪魔
第8章 ☆CHANEL NO8☆

「開始時の体重が59キロで、体脂肪35%。身長が158か。」

「何よ。分かってるわよ、デブって言いたいんでしょ」


「デブっていうか、デカイよな。お前は服選ぶのうまかったから、そこまで見えなかったけど。数字で見ると中々だ」

「………。」

今日は『旦那』でも『北朝鮮人』でもなく『プロデューサー』なのだろう。”平気”な顔で”兵器”になる様な言葉をぶつけてくる。


「身長から体重を引くだろ。その時に105~110なら標準体型。110~ならモデル体型って言われてる。」

「今、お前は──」


「身長158センチで、体重は48キロ。つまりギリギリで110だ」

「だけど体脂肪率があんまりだな。今で26%か……」


「何?新しいプランの制作をするために今日は早く帰ってきたの?」

「そう。」


「アンタも大変ね、コンサートのプロデュースもするし曲のプロデュースもするし……挙句の果てには私のプロデュースも、だもん」

「全部好きでしてる事だから苦にならない」


「ジムは継続だな」


「……ええ!?」



「でも食事制限は解除していい。分かってると思うけど『太るのは簡単だが、痩せるのは何より難しい』んだ。バカ食いはするなよ」

「──はい。」


「筋肉の方が重いから、体重は最悪50キロ代でもオッケーにする。でも51はアウトだ。とりあえず残り三か月で体脂肪を20%まで落としてみろ」

「体脂肪ってなかなか落ちないのよ。極端な話、体重は炭水化物を抜くだけで落ちるでしょ?でも筋肉量っていうのは──」


「分かってるよ。だけど三か月も有るんだ。おめえが三か月で”アインズ”の曲を覚えて歌える様になったのを見ても、この世に不可能は無い」

「大事なのは、おめえのやる気だ。だろ?」


「それはそうだけどさ」

ユナさんも昔言っていたな。

この世に絶対はない、と。だからダイエットも韓国生活も──その他の事も頑張れ、と。


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