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シャネルを着た悪魔
第8章 ☆CHANEL NO8☆
「茶道は辞めたかったら辞めても良い。物を扱う時の仕草が上品に変わってきたのは俺にも分かるし。ま、たまに和菓子食いたいんだ。っていうなら一週間に一度のリフレッシュで続けても良いけどな」
「韓国語の教室は?」
「ああ、それだ。それが一番大切なんだよ。今お前が行ってるスクールが姉妹校を持ってる事が判明したんだ」
「姉妹校?」
「そ。正式名称は百合大学。俺らはオル大って呼んでる」
「何でオルなの?」
「美人な人や、格好良い人が多い事で有名なんだよ。オルチャンから取ったんじゃねえの?カンナムのど真ん中にあるから此処から歩いて15分から20分程度だ」
「ふうん。近いし良い感じじゃん。私そこに行くってこと?」
「そう。語学留学で大阪外国語私立大学から来てるって設定にした」
設定……。って事は、また『何かの力』を使ったのか?
それが帝国か、コイツ自身か。それは分からないけど、聞く気は起きなかった。……三か月と云えど女子大生に戻れるのならきっとそれは楽しいだろうなあ。
「交換留学生、みたいなものね。短期の」
「そういう事。明後日から通う事になるから。」
「学部は?」
「犯罪心理学部だ」
ニヤリ、と笑うテヒョン。
「な、なんで犯罪心理学部?」
「ブイが言ってたんだよ。」
「誰かさんに携帯を貸したらグーグルの検索履歴が『犯罪者 監禁 心理』『サイコパス候補』『好き 監禁 犯罪者予備軍』とか散々だったってな」
「なッ、何それ!!…ッ、私じゃないわよ!」
バレバレなのはわかってる。
でも自分の携帯に履歴が残るのがイヤだからとブイさんとお茶してる時に携帯を貸してもらって、そんな事を調べてたなんか口が裂けても言えない。
ここで指す『犯罪者』とはテヒョンであり、『犯罪者心理』とは『テヒョンの心理』である事が分かるだろうし。彼も……バカじゃないしね。
「誰もおめえとは言ってねえよ。ブイはその話をマネージャーにして、マネージャーは爆笑してたよ。きっとアイツは犯罪者の心理を俺の心理と一色にしたんだろうな」
「………っ」
「ま、調べなくても学べるってことだ。」
「そ、そうね」
「ははっ、まーた騙されたな」
美味しそうに筑前煮を食べながら綺麗で真っ白な歯を見せながら笑うテヒョン。
……やられた。