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シャネルを着た悪魔
第8章 ☆CHANEL NO8☆
リビングに、ピーチの香りが広がった。これは私たちが使っているシャンプーの香り。
「上がった?何か飲む?」
見ていた音楽番組を一時停止して、振り向いた。
肩からバスタオルを掛けて髪を大雑把に拭いているテヒョンと目が合う。
「レモンティー。ってかいい加減にしろよ。おめえこれ何回見てんの?」
「だって、このアインズ全員格好良いじゃん。センターのホビとか最高にクールだよ。」
「K-POPに興味無いって言ってたんじゃねえのかよ。」
「はあ。どうせ覚えるなら、そんなスラング死ぬほど使った韓国語の歌よりも、もっと綺麗な言葉使った歌覚えろよ」
「──なっ!アンタだってラップの歌詞は相当よ」
「やれアイツの方がフェラは上手いけど、俺はもう一人の女にカードを渡してるんだ。なあ、三人で楽しむことは不可能なのかい?って、なにあれ。」
「……興味ねえフリして、しっかりと同居人が作った歌を聞き込んだってワケか」
「そっ、そんなワケないでしょ!たまたま音楽番組で流れてたのよ。」
「へえ。二年前の曲なのに?流行り廃りが激しい韓国では珍しいな。」
「………。」
口が減らないテヒョンの前にレモンティーを置いて、わざと距離をおきソファーに座った。
音量を大きくして、もう一度画面を再生すると今度こそ本気でイヤそうな顔をしている。
「SMもこういうの好きだよな」
「こういうのって?」