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シャネルを着た悪魔
第1章 ☆CHANEL NO1☆
「車、好きなの?」
「はい。」
我ながら冷たい返事だと思う。
だけどこいつと喋ってる暇なんてない。だって見れば見るほど深みにハマっていく面白さがあるのが車なんだから。
「あ、これはワイルドスピードのだね。日産と…」
はぁ~というわざとらしいため息が聞こえたけど、シャネル野郎のため息が何だろう。車好きの私にとって彼のため息よりも目の前の車のポスターの方が気になる。
「ここってレコーディング室だから禁煙ですか」
「いや、ここはチェックしたり休憩したりするから喫煙。扉あけて向こう……このガラスの向こうが禁煙」
「じゃあ吸わせて貰います」
灰皿を左手に、タバコを右手に持ってポスターをすべて目に焼き付けた。