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シャネルを着た悪魔
第8章 ☆CHANEL NO8☆

「そういえば」

「うん?」


「明日、18時には風呂入ってメイクして服着替えとけよ」

「何で?ジムあるじゃん」


「明日は韓国語スクールのはずだったけど、もう解約してオル大の方だからジム以外はオフみたいなもんだろ。」

「ユナに明日の朝にでも電話して時間ズラせるならズラしてもらえ」


「ああ、そっか。分かった聞いてみる。でも何で?」


「フレンチ食いに行く約束したから」

「誰とよ」


「俺と、会長秘書代表のヒョンだ。」

「三人で?」


「ああ。会いたがってるんだよ。『おめえは一体、どんなヤツに惚れて10年も疎遠になってた”帝国”の力を使う羽目になったんだ?』ってな」

「この三か月はおめえのスタイルを変える事に重点を置いてたから。でもマナー教室にも通い始めて三か月だ。」


「場所はドコであろうと、相手が帝国のドンである会長の側近であろうと、緊張しねえくらいには教養、身に着いただろ」


「……そこまで言われると自信ないんだけど」


「はあ?何言ってんだよ」

「自信──持てよ」


「この俺が選んで、この俺が直々にプロデュースしてる女なんだ。どこに出しても恥かかねえよ。俺もお前も」


「いいか?絶対、笑うなよ」

「何?」




「百合大学は、モデルの卵とかアイドルの卵が死ぬほど居る」

「カンナムの高級クラブに行けば、当たり前にVIPに呼ばれる様なヤツらばっかりだ。服もいいもん着てるしバーキン持って通学もザラに有る」


「──でもな、お前が一番キレイだと、俺は思う。」



「………。」


「だから自信持てよ。周りの女なんか蹴散らす位の気合いで通学して、実際に韓国語も心理学も死ぬほど三か月の間に勉強してみろ」

「良い女は『見た目が全て』であると思っていない」

「『身に着けているモノの価値が自分の価値』だとも『学歴の高さが人間性の高さ』だとも。」


「大事なのは『見た目が50%中身が50%でバランスの取れた女』になる事が大事だってちゃんとわかってる」


「おめえがアートの長男に、ショパールの時計をバカにされた時に言い返した言葉。アレをもう一回胸に秘めておけ」



「じゃねえと──お前が潰れる事になる」


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