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シャネルを着た悪魔
第8章 ☆CHANEL NO8☆
「バカね。大人になった時に頬に軽くキスされて交情するのと一緒で、大人になったからこそ100万単位のスーツとかよりも子供心が残る何かをプレゼントされると嬉しいものなの」
「それが100円だったら話にならない。でも1万円と少しで買えるとか、手が届く内容の物だったら相手の顔も潰さないでしょ。」
「経営者ではないって言っても、あのグループの会長秘書代表なのよ?そこらへんの人よりはお金なんか死ぬほど持ってるし良いモノにも触れてきてる」
「だからこそ、アンタはお金で解決するんじゃなくて気持ちで解決すべきなの」
「……。」
「ま、シャネルは例であって──ウェイターに伝えてワインを一本プレゼントでも良いかもしれないけどね。でもレストランは人の目がある」
「そう思うと、個人的に渡せるプレゼントの方が年上の同性には──いい意味で可愛らしく映るんじゃない?」
「──さすが営業だな」
「そうよ。アミューズの営業の稼ぎ頭みたいなモンだもん。それがホステス要員だったとしても、こういう事が出来たから売り上げにも繋がってたの」
「……。」
「いいじゃない。私の足りない所を貴方が補ってくれる様に、貴方の足りない所を私に補わせてよ」
「それでこそ『同棲』の意味があると思わない?」
「お互いがリスペクトも無いし成長もしない様な関係なんて時間の無駄よ。取引所で1000万出したって『時間』を渡してくれる様な世界じゃないでしょ」
「リアルな世界で生きてるからこそ、残り三か月──無駄にしない様に楽しみながら二人で成長していこうよ」
これは──。私の本当の気持ちだった。