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シャネルを着た悪魔
第8章 ☆CHANEL NO8☆
まず始めに出されたのは、トマトとオリーブが入ったスープだった。
小さなカップに入っている。一体これは、一人辺りのコース料金の内の幾らになるんだろう?と大阪的な事を考えてしまう私。
イさんは、シャンパンが飲めないという情報を前もってテヒョンから聞いてくれていたのか、赤ワインをボトルで注文してくれた。
「お、いい音だ」
「ですね。」
コルクの開く音。
そして、開けたばかりのワインがグラスに注がれる瞬間の特徴的な音。
二つが重なった時、この空間はもっと素晴らしい空間になる。お酒を飲める人間にしか分からないだろうけど。
「ヒョン、俺が何でいきなり仕事を手伝ったのか聞きたい?」
「味剣の事か?」
「そう。」
「──俺が何も知らないと思ってるのか?リサさんとアートの長男が揉めたんだろう。」
「っはあ?何で知ってんだよ」
「……あのなあ、俺は会長の側近だぞ?帝国には、韓国の全財閥の情報が回ってくる様になってるんだよ」
「それが、俺ん所の息子も絡んでるとなったら噂は早いさ。」
「なーんだ。リサの面白い話してやろうと思ったのに」