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シャネルを着た悪魔
第8章 ☆CHANEL NO8☆
『アンタらも親が金持ちなだけでただの哺乳類でしょ。私と何ら変わりないじゃない』
『バカバカしいのはアンタの方よ自分の力で稼いだ事もないガキが偉そうな口ぶりで、周りの女に媚売られて鼻の下伸ばしてんじゃないわよ』
「ってな。」
思い出すのは、言われた時のアイツの顔だ。ポカンと、とんだアホ面をかましていた。
「──それを、リサさんが言ったのかい?」
「そうだって。俺後ろから見てたんだよ、コイツはどんな対応をするんだろうって。」
「正直な話、もしそこでアートの長男に媚売ってたりする様なら、こいつのことを見限ってた。」
「でも──コイツは、俺に言った通りの言葉を言ったんだ。」
「ってことは、お前も言われたんだな。」
冷静な突っ込みだった。まあ、ここまでキツいことは言ってないけど──。
「俺の場合は、また少し違う」
「例の100万円事件の時みたいに、金で解決しようと提案をしたんだ。」
「そしたら、あの時と同じトーンで。同じ声で。同じ表情で。こう言われた」
『本当に私が欲しいなら、そんな『契約』じゃなくて私がアンタの側に居ざる負えない状況を作ってみなさいよ』