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シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆
「リサー!」
「あ、ヒョナちゃん!」
オル大の門に、学生証をかざしてロックが解除されるなり待っていたかの様に走って私の元へ向かってくるヒョナ。
年齢は20歳。ティーとどこか雰囲気が似ている。人懐っこくて年齢を気にしないから私が唯一、心の底から『可愛い』と思える友達だった。
「今日もシャネル?」
「このワンピースはカンナム百貨店のオリジナルライン」
「へえ。こっちで買ったの?」
「まあ、そうね」
BNに送ってこられたのは、彼のセンスが滲み出ている品々だった。どうも韓国の男性にしては珍しく『可愛い』よりも『セクシー』が好きらしい。
無論、私も韓国のオルチャン・リスペクト文化には首をかしげていたタイプだから、あながち趣味は合うのだろう。
私が好きなのはノーメイク風のジーパン少女よりも、高いピンヒールを履いたラテン系のセクシーさを持つ美女だった。
私がそれに成れるかどうかは置いておいて……。
「今日はD組の集まりに参加してから文化ホールで、ダンスショーがあるでしょ。勿論リサも行くよね?」
「うん。ヒョナはピアノ弾かないの?」
「弾かないよ。こんな所でクラシック弾いても浮くでしょ。」
「きっとみんなダンスショーが終わったら、そのままの流れで第二ホールいってEDMだもん」
身長165センチ、体重は45キロくらいかな。
『薄い』という言葉がよく似合う体型の彼女は、根っからの『良い所のお嬢さん』だ。
ピアノの特進で百合大学に入学したらしい。
本場のクラシックを聴きたいがために、フランスとロシア、そしてイギリスにも留学していた事があるのだから、英語は完璧だった。
これでフランス語も話せるっていうんだから──
何ていうか『天は二物を与えた』なあって印象。純粋に同じ女として『ハイスペック』には憧れる。