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シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆
私は、アイツが自分に惚れてるかもしれない。って思った出来事について、可能性を踏まえつつも『所詮は私がお花畑なんだ』と自己解決をしていた。
──でも、違った。
──違ったからこそ、此処にいる。
つまり私はお花畑なんかじゃなくて、勘が冴えていたんだ。
もし、これも私の勘が正しかったら……。とんでも無い歌を彼は世に出した事になる。
「お、リサ。大正解。韓国語もちゃんと分かってたよ」
「そっ……そうかな?」
平然を装うのに必死だった。
目の前で踊り狂う背の高い男の子達なんか、もうすでにどうでも良い。
「テヒョンがさ」
「うん。」
「日本のテレビ番組で言ってたの。本気の恋をしたらきっと新曲をリリースする間隔が早くなりますって」
「これって本当だと思う?」
「なに、急にどうしたの?テヒョンオッパのファン?」
「いや──そういう訳じゃないけど。これ新曲なんでしょ?何か気になって」
「……有り得るんじゃない?オッパって感受性豊かそうだし。」
携帯を取り出して電話を掛けたい気分。
今度はリョウにじゃない。アイツに──、そうソン・テヒョンに。
でも、きっとそれは不可能だろう。
場所が場所だし向こうも仕事中だ。
第一、つながった所で何て言う?「新曲聞いたけどあれって私の事?」なんか口が裂けても聞けない。
それが……私の可愛くない所なんだ。
『そんなワケねーだろ』
っていつもの憎たらしい笑顔で否定をされたとしても、それくらい聞く事が出来たら女性としてもっと可愛げのある女になれるだろう。