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シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆
ダンスショーは、無駄にキッチリしていて一週間前に予選トーナメントが行われた。そこから選ばれた6組が舞台に立てるのだ。
初めの三人組はヒョナいわく『顔がいまいち』だったらしい。
もうラスト。みんなは早く最後を飾る『BLOCK』という男性グループが見たいらしい。まあメンバー全員が練習生らしいし、圧巻だろう。
でも私は、その一つ前の唯一の女性グループのセクシーダンスに拍手をしていた。
そして──突然叩かれる肩。
「……はい?」
思わず出てしまう英語。
隣の友人もびっくりして一緒に振り向く。
「あ、あの」
私の後ろに座ってたのは、綺麗な女性だったハズだ。でも今はマスクにサングラスと怪しさ満載の男性が居る。
「……はい。」
「リサヌナやんな?」
聞きなれた関西弁のハズだけどイントネーションが少しだけ違った。韓国人が使う関西弁、である事は間違いない。
高そうなサングラスの中をのぞき込むと、綺麗な二重の目が見える。蒼眼は──どこかで見覚えがあった。
「俺やで。カワスミ・リョウの友達の」
「────あっ!」
思わず名前が出そうになったけど、まだ冷静な私は無事、手のひらで口を押える。漫画みたいなシーンだ。実際こんなヘマをしそうになるなんて思っても無かった。
そして──まさか、百合大学のキャンパス内で──。
『ルイ』
そう、彼がマスクを外して口パクで言った名前は……私が同居してるテヒョンのメンバーのルイ君だった。