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シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆
「ちょ、ちょっとヒョナ!私、彼とトイレ行ってくる!」
「──はあ?!」
呆然としている友達を放置して、ルイ君の腕を強く掴んだ。
私達は、今だけ──駆け落ち映画の主人公だ。人が居なくなるホール隅のベンチまで全力疾走で向かっていく。
勿論、沢山の人に見られた。
でも、あそこでルイくんの正体がバレて私の正体までもバレる事を考えたら、きっとこっちの方が良い筈だ。
「ちょっ、ちょっと痛い!めっちゃ痛い!リサヌナ!」
「ああっ、ゴメン。」
我に返って腕を離すと、その反動で転びそうになっているサファイアの末っ子。
「ってか」
「何でリサヌナがオル大の催しに居るわけ?!」
大きい声の関西弁。
ああ、日本語を話せるって素敵。
「それはこっちの台詞よ!ルイくんこそ、何で居るの?バレたら大変な事になるよ!」
「ブロックが全員、BNの練習生なのね。可愛がってる子が居るから、その関係で見にきてあげたっちゅーことや!」