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シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆
「それよりルイ君は?これ終わった後の第二ホールの集まり、参加するの?」


「あー、それ迷ってるねん!」

彼の関西弁は、異常に語尾が上がるのが特徴的だった。でもそれは同時にチャームポイントという名の愛嬌でもある。

「オル大って可愛い子多いしさ、ちょっと参加しようかなって思ってるけどもし皆に顔バレしたら面倒だなって」

「確かに。それは言えてる」


「だけどヌナとの再開嬉しいしなあ。もしヌナが参加するなら、俺も参加しようかな?」

「私は参加するよ。19時くらいには家に帰るけど」


──今日のテヒョンの帰りは20時くらいらしい。朝、ぶっきらぼうに教えてくれた。

じゃあ、そこから逆算して一時間前には家に居ないと夕飯の支度が間に合わないことになる。

あんなに機嫌悪いのに……もし、私が夕飯も放置なんてしてたら、ヤバイだろうな。


はじめは作ってくれる事に感謝してたのに、今ではそれがすっかり当たり前になってるんだと思う。

私も、こういう生活リズムが当たり前になってるから苦ではないんだけど。


「じゃあ、実質1時間半くらいの参加か。それならルイもー!!」

「一緒に飲みたいね」

「うん。あ、ヌナ。隣の女の子も誘っててよ。」


「ははっ、ヒョナのことね。ああいう子タイプなの?」

「うん。清楚だし優しそうやろう。」

優しい、か。

まあ、優しいだろうな。毒舌な部分もあるけど情にはアツいと思う。


私が韓国語を習ってると言ったら、真っ先に先生役に名乗り出てくれたし、昨日のクラブでも変な男に『ドクト』というワードを出された瞬間、すごい形相で長い足を使ってのキックをしていた。

「分かった!ヒョナ、今彼氏居ないし誘っておくよ。その代わり、私の友達なんやから雑な扱いはしたらアカンよ」

「ひっどい!俺、そんな事しないよ!」


「ホンマに?」

「ホンマのホンマ!!」

あまりに必死に否定するから、思わずぷっと吹き出してしまう。

それに、つられた様にルイくんも綺麗な歯を見せて笑っていた。


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