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シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆

「ちょっ、ちょっと待って」

「何何、どうしたの」


「それ、見せてくれない?」

何だか色々な所から汗が出てきた。思わず、バッグの中からタオルを取り出して首の汗を吹く。

そしてジッパーも下げた。ブラジャーじゃなくて良かった。──さすがに、普通のブラなら丸見えだから、開けれない。


「これだけど」

はてなマーク沢山の顔は、可愛くも何ともない。心のこもっていないお礼を言ってから画面を覗く。

そこには──。

ご丁寧に『リサヌナとオル大で遭遇!このダンスやばいよね、ヌナ色っぽい』という解説まで書いてあった。

既読数は『4』


送信者はルイ君だ。サファイアは五人グループ。つまり……全員が、この投稿を既に見ている事になる。

「や、」

「ん?」



「……ヤバイ」

これで、アイツの機嫌が普通だったら『干渉しないって約束でしょ』とか言い返せるけど、よりによって今日のアイツの機嫌は最悪だ。


強がりのテヒョンの最大限の見栄が『束縛は一切しない。干渉もしない』という条件の一文によく表れている。

でも──アイツは、実際かなり独占欲が強いタイプだと思う。


もし本当に、そんな一文を素で書ける性格をしていたなら未だにリョウと連絡取れないとかSNSさせてくれないとか、そういうのは有り得ない。

強がりだけど『男』だから、その強がりを隠しきれてないのだ。

「──、ヌナ?」


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