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シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆
「ルイ君、今日のサファイアの予定は?」
「おーヌナもついにサファイアのファンからサセンになるの?」
サセンとは『追っかけ』に近い。でも、純粋な追っかけよりももっと過激だと言われている。ドコの国にも、アイドルにはそういう人物が付き物なのだろう。
「バカ言わないで。違うわよ」
「何、そんな機嫌悪くなってどうしたん?」
「………。」
「リサ?」
「──はあ。マジでやっちまったって感じなのよ」
ここで、契約の事を言えたら──、彼が私に惚れてる事を言えたら──どれだけ楽なんだろう。ルイ君もきっと『これはリサヌナに似てるだけで別人だった!』とか、苦しい言い訳くらいはしてくれると思う。
でも……言えなかった。
何だかんだ、私もテヒョンのペースに合わせようとしている。
「だから、何をやっちまったの?」
「……。彼氏にね」
「うん。」
「見られたのよ。」
「何を?」
「私が、こんなクラブみたいな場所で、ジッパー下げて踊り狂ってる姿を」