この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆
「ルイ君」
その情報を教えてくれたリョウは個人的に勉強したのだろう。だから私がサファイアのメンバーを舞台上で初めて見たあの番組で──あれだけの会話を出来ていた。
そして、その時に『バラエティが出来る男は頭が良い』論理に納得した私。──そう、ルイ君が何も気付いていない筈がなかった。
ましてやヒョナからの悪気のないヒントも有る。コイツはテヒョンが大のシャネラーで有る事を知ってるし、私に色々と買い与えてしまった過去も実際に知っている。
「私に彼氏が居る事、絶対に黙っててね」
「───。俺、何も聞いてなかったよ。誰からも」
私からも、テヒョンからも。
言いたい事は分かった。
「……。ゴメン、報告遅れて。」
「別にいいけどさ。ちょっと寂しい」
「……。」
「でも寂しい以上にゴメン」
「それは大丈夫」
「待って待って。何の話してるのよ」
「リサの彼氏さ、俺が日本の番組の時に知り合った人なんだよ。アパレル関係のすげえ金持ちですげえ良いヤツなんだ」
「じゃあルイオッパが?」
「いや、俺は何もしてない。俺も知ってる共通の知人が何かやらかしたみたい」
よく言うよ。事の発端はアンタだ。
でも責めれなかった。あれだけ仲が良いサファイアのメンバー、きっとテヒョンから何も聞いていない彼は『ちょっと』じゃなく『かなり』寂しかっただろう。
私が辞めた話をしていた時のテヒョンの表情にも納得いく様で納得いかない、という複雑な心境も有ると思う。