この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆
「この躍りは、見てもらってこそ輝く躍りなのよ。」
ハイヒール独特の音が響く。私はそんなの一切気にしない。
一階のフロアへと続く階段のど真ん中をゆっくりと下った。まるで……この歌の色気に吸い込まれる様にして。
日本に居た時は、そんなにクラブに行かなかった。行くとしても、大阪に帰った時に同級生達といつもの場所へ行くくらい。
私の友達も皆変わってる。男に集ってタダ酒を飲むのを凄く嫌う私達は皆で割り勘をしてVIPルームを取っていた。
凄く懐かしい。
宗右衛門町にある、VALIというクラブだ。隣には大きなキャバクラが有り、関西地方では一番の規模を誇るだろう。
箱が大きいため、私達がリザーブする席は決まってフロアと同じ階にあった。
それが韓国に来て一転。
トイレに行くのも、こうやってフロアに躍りに行くのも階段を下って目の前のカーテンを開けなきゃダメなんだ。
何だか変な感覚。
あと三段でカーテンまで手が届きそう──。そんな時、誰かが向こう側から『境界線』の扉を開いてくれた。
暗くて顔は見えない。
軽く頭を下げて、その男の人を通り過ぎようとした時。私がBNの事務所で覚えたのと同じ『デジャブ』を感じた。
ハイヒール独特の音が響く。私はそんなの一切気にしない。
一階のフロアへと続く階段のど真ん中をゆっくりと下った。まるで……この歌の色気に吸い込まれる様にして。
日本に居た時は、そんなにクラブに行かなかった。行くとしても、大阪に帰った時に同級生達といつもの場所へ行くくらい。
私の友達も皆変わってる。男に集ってタダ酒を飲むのを凄く嫌う私達は皆で割り勘をしてVIPルームを取っていた。
凄く懐かしい。
宗右衛門町にある、VALIというクラブだ。隣には大きなキャバクラが有り、関西地方では一番の規模を誇るだろう。
箱が大きいため、私達がリザーブする席は決まってフロアと同じ階にあった。
それが韓国に来て一転。
トイレに行くのも、こうやってフロアに躍りに行くのも階段を下って目の前のカーテンを開けなきゃダメなんだ。
何だか変な感覚。
あと三段でカーテンまで手が届きそう──。そんな時、誰かが向こう側から『境界線』の扉を開いてくれた。
暗くて顔は見えない。
軽く頭を下げて、その男の人を通り過ぎようとした時。私がBNの事務所で覚えたのと同じ『デジャブ』を感じた。