この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆
「又、前みたいにソン・テヒョンを呼ぶのか?」
「呼ばないわよ。」
「へえ。」
「──私が、アイツの力を借りないと何も出来ないと思ってんの?」
「現にそうだっただろ。アート財閥も、アイツが色々と要らない手を回したせいで揺らいだのは真実だ。」
「何だ?それはアイツの力じゃなく、お前の力だって言いたいのか?──ああ、もしかするとお前の苗字は『トヨタ』かもしれないな。それだと有り得る話だ。」
「………。」
首にかかる彼の息が気持ち悪い。こんなに距離が近いなんて──。私は耐えられそうになかった。
「髪の毛、離してよ」
「じゃあ俺とあがるか?それとも……下で躍りながら昔話とするか?」
「辞めてって言ってるでしょ!」
──機械音に流されて、あんまり聞こえなかった。でも此処が無音なら、すごい音が響いていただろう。
わたしの掌は、きっと誰にも打たれた事がない真っ白である彼の頬にクリーンヒットした。
私は──アート財閥の長男の頬をぶっ叩いたんだ。この手で。
「……おいおい、それはやり過ぎだろ」
空いているテキーラカップとトレーを投げ捨てた目の前のクズは、そう言いながら今度こそ──精一杯の力で私の肩を押す。
急に髪の毛を離されて、挙げ句の果てにイキナリ下に押される。
反動でカーテンまで落ちるのは目に見えていた。
「呼ばないわよ。」
「へえ。」
「──私が、アイツの力を借りないと何も出来ないと思ってんの?」
「現にそうだっただろ。アート財閥も、アイツが色々と要らない手を回したせいで揺らいだのは真実だ。」
「何だ?それはアイツの力じゃなく、お前の力だって言いたいのか?──ああ、もしかするとお前の苗字は『トヨタ』かもしれないな。それだと有り得る話だ。」
「………。」
首にかかる彼の息が気持ち悪い。こんなに距離が近いなんて──。私は耐えられそうになかった。
「髪の毛、離してよ」
「じゃあ俺とあがるか?それとも……下で躍りながら昔話とするか?」
「辞めてって言ってるでしょ!」
──機械音に流されて、あんまり聞こえなかった。でも此処が無音なら、すごい音が響いていただろう。
わたしの掌は、きっと誰にも打たれた事がない真っ白である彼の頬にクリーンヒットした。
私は──アート財閥の長男の頬をぶっ叩いたんだ。この手で。
「……おいおい、それはやり過ぎだろ」
空いているテキーラカップとトレーを投げ捨てた目の前のクズは、そう言いながら今度こそ──精一杯の力で私の肩を押す。
急に髪の毛を離されて、挙げ句の果てにイキナリ下に押される。
反動でカーテンまで落ちるのは目に見えていた。