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シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆

「格とか一般人とか財閥とか──バカらしいって思わないの?」

「まだ言うのか?ははっ、お前も懲りねえ女だな」

のそのそと立ち上がる。お尻が凄く痛かった。内出血になっていたら場所が場所だけに、さすがの私も恥ずかしい。まだ水着の季節じゃなくて良かった……。


「だってそうでしょ!?私がアンタに何したっていうのよ!アンタが私の事を恨むのも嫌うのも勝手だけど、こうやって手を出すのはお門違いじゃない!」

「先に打ったのはどっちだ?」

「先に私に触れたのはどっち?まさか、あんな体制であんな事を言っておいて『髪の毛を撫でただけ』なんて言わないわよね?」


「──。うるせえ女だな」

「アンタこそっ──。懲りない男ね」


数秒見つめ合った。

お互いに口を開く事はない。私もガキじゃないんだ、曲げれない部分が有るだけ。

彼から何も言ってこなかったら、自分から口を出して文句を言う必要はないと思ってる。


「………。」


────口では勝てないと思ったんだろう。

必死に起き上がった私を、もう一度地面に倒すと見下す様な顔をして髪の毛を持たれた。


そしてフロアへ引きずられる。……終わった。

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