この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャネルを着た悪魔
第9章 ☆CHANEL NO9☆
「格とか一般人とか財閥とか──バカらしいって思わないの?」
「まだ言うのか?ははっ、お前も懲りねえ女だな」
のそのそと立ち上がる。お尻が凄く痛かった。内出血になっていたら場所が場所だけに、さすがの私も恥ずかしい。まだ水着の季節じゃなくて良かった……。
「だってそうでしょ!?私がアンタに何したっていうのよ!アンタが私の事を恨むのも嫌うのも勝手だけど、こうやって手を出すのはお門違いじゃない!」
「先に打ったのはどっちだ?」
「先に私に触れたのはどっち?まさか、あんな体制であんな事を言っておいて『髪の毛を撫でただけ』なんて言わないわよね?」
「──。うるせえ女だな」
「アンタこそっ──。懲りない男ね」
数秒見つめ合った。
お互いに口を開く事はない。私もガキじゃないんだ、曲げれない部分が有るだけ。
彼から何も言ってこなかったら、自分から口を出して文句を言う必要はないと思ってる。
「………。」
────口では勝てないと思ったんだろう。
必死に起き上がった私を、もう一度地面に倒すと見下す様な顔をして髪の毛を持たれた。
そしてフロアへ引きずられる。……終わった。