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シャネルを着た悪魔
第10章 ☆CHANEL NO10☆
「そう、そういうこと。これが韓国人だったらな……まだ楽だったんだろうけど。日本人相手だから、ネット右翼とかは散々俺叩きに走ってるよ」
「じゃあ今日はソンテヒョン慰め会でも有るわけね」
「はっ、何で慰める必要が有る?そういう意味じゃねえだろ。」
「俺が──お前の心を手にいれたってのに。逆に今日は本当の真実を話した上で、祝福してもらう祝賀会だ。」
あの日──車で向かった先は、自宅だった。
たまたま江南のクラブで飲んでた彼は、私からの電話を謝罪電話だと思ったらしい。
怒鳴り付けてやろうかと思っていたけど内容が内容だから急いで飛んで行った。というのが言い分。
江南のあの町の中に居たのが救いだったのだろう。
まだ距離が近かった。
──本人は、アルマンドの破片で傷つけらた瞬間に間に合わなくて、それを未だに言うことがある。
よっぽど悔やんでるんだと思う。
傷も残ってないし、縫うほどの怪我じゃなかったし、当の私は別に良いんだけど。
「なあ、リサ」
キッチンに立つ私を後ろから抱き締めるテヒョン。細い指はシャツを捲った。
「ダメよ。生理って言ったでしょ」