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シャネルを着た悪魔
第10章 ☆CHANEL NO10☆

「はあ?!おめえいつまで生理なんだよ。そんなに俺とスるのが嫌だってか?」

「違うわよ。まだ二日目でしょ。昨日も同じ会話したばっかじゃない」


「っ、何なんだよ。ったく。」

沢山の答え合わせをした。

あの日怒ってた理由も──

私が帰らなかった理由も──。



そして私達は自宅に着いた瞬間、どちらからともなくキスをして結ばれた。

何ヵ月も一緒に住んでいたのに、やっとだ。その夜は──一生忘れられないほど素晴らしいものになった。

優しくて……愛に溢れていて……



ああ、強がりなのは私の方だったんだ。私……テヒョンに惚れてたんだ。

と気付いた瞬間、と言った方が正しいだろう。


「リサ、でもオメエが居なくなったら俺どうなるんだろうな」

「何、急に。」


「VISAの関係で、おめえは絶対に来月には帰らないとダメだろ。多分、帝国から手回したとしても──離れる期間は一ヶ月は有るだろうな」


「あのねえ、VISAくらい普通に申請するわよ。」

「今度はオル大の長期留学になるんでしょ?学校からの許可も貰ってるから。」

「だから一々、こんな事に帝国グループ使わなくて良い」



懐かしいあの日、一緒に食事をした彼が『ヒョン』と呼ぶ紳士は──日本で云うヤフーニュースのトップにのった私達の報道を見て、急いで電話をしてきた。


サファイアの人気は大丈夫なのか、とか。

かと思えば『リサさんがアートの長男に付けられた傷は残らずに治せそうか?』とか。


私達二人の心配をしてくれてたのだろう。

テヒョンは相変わらず『ああ』とか簡単な返事の連呼だったけど。


「良いじゃん。正式に付き合ったって言ったら喜んで『じゃあ手回せる様に日本政府に頼むよ』って言ってきたのはヒョンなんだから。甘えとけばいいだろ」

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