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シャネルを着た悪魔
第10章 ☆CHANEL NO10☆
「あのねえ、私も日本で色々と解決しないとダメなことがあるの」


「ああ?何だ。仕事も辞めてるし学校通ってる訳じゃねえだろ。」

「まさか……リョウさんかよ」


「勿論、リョウはこの報道に驚いてるだろうから説明もしないといけない。他にも──両親への報告もそうだし、質屋のおじさんとか」

「ああ、前言ってた質預かりを提供してくれた紳士の人か?」


「そうそう。その人にもお金返したり前の会社にも挨拶行ったり。不義理な辞め方して、あんな顔も名前も分かる様な動画が出回ってたら話にならないでしょ」

どうやら、私が持っていた装飾品やバッグ・車は一時帰国に合わせて返してくれるらしい。

家を勝手に売られたお金は通帳に既に振り込まれている。契約に有った現金一億円は──要らない、と断った。


『私は貴方の事が好きだから、貴方をお金として見たくない』

と酔いながらも言った本心。過去見たことがないくらい嬉しそうな顔をしたテヒョンがその夜、隣に居た。


「──俺も日本行こうかな」


「はあ?!」

「帝国の日本支部に言って、赤坂辺りに家借りて貰おうぜ。じゃあ日本に二人で居れるだろ。」
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