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シャネルを着た悪魔
第10章 ☆CHANEL NO10☆
「その環境に慣れてきた時に、言いなりにならない・気を使わずに喧嘩を売ってくるリサヌナに出会った」
「だから性格が丸くなって、前みたいに神経質に曲や構成とかについて考え込まなくなった。」
「トキシックもテヒョンさんが悩み抜いてた時期の心が上手に表されて、結果的にビルボードで12週連続一位でしょ。」
「──そうだなあ。」
恥ずかし気もなく認められると、私の方が顔を赤くしてしまいそうだった。
こんな夜中に『夕日のせいだ』なんて言い訳は出来っこない。
「俺はサファイアのメンバーとして、マンネとして……リサヌナには本当に感謝してるもん。あの時のあの曲のアドバイスもそうだし」
「何よりも、テヒョンさんが素で居れる環境を作ってくれたことにも。」
「俺も。テヒョンさんは俺達のヒョンとして弱いところを絶対に見せない」
「でも神経質だから、悩みやストレスが多かったのも事実。──それを上手に最近、取り除けて今のヒョンの笑顔になったのは、リサさんのおかげだと思う。」
「………。」
「だって、リサ。」
「──っ。」
嬉しくて涙が出そうだった。
「唇、噛むなよ」
あの癖が出そうになったと分かったのだろう。突然、テヒョンの指が私の口の中に入れられる。
「自分の唇噛んで、不細工な顔になるくらいなら俺の指噛んどけ」
「………。」
素直になれない私だけど──、今は別だ。口内の指を一度だけ甘噛みしてから、テヒョンを今度こそ……強く抱き締めた。
まるで親が子を抱き締める様に、強く。
「私達、日本人と韓国人で色々な問題が有る。」
「一般人と芸能人で、想像も出来ない位の数や内容の壁を越えていかないといけない事にもなる。」
「でも──。」
「これからも宜しく、ソンテヒョン。」