この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャネルを着た悪魔
第10章 ☆CHANEL NO10☆
もう一度、キッチンへ向かおうと立ち上がった私の腕を強く引いた彼。
間抜けな音を出しながら、私の大きなお尻はソファーの上に乗った。
「もうちょっと話をしよう」
「飲み物無しで?」
「はあ。……俺を使うなんて、おめえも大した女だこと」
「いいじゃん。」
「誰も居ないからな。メンバーが居る時に俺の顔立てるために色々と動き回ってくれたお返しだ。何飲む?」
「マッコリが良い。テヒョンも半分飲んでくれる?」
「甘いのは俺は遠慮しとく。おめえもこの時間から飲むならウイスキーにしとけよ」
「ああ、確かに。」
冷蔵庫から取り出したソーダとストックのブラントンを持ってきてくれたテヒョン。こういう所は優しいんだよね──。
「ハイボールで良いんだろ?」
「うん。ブラントンのハイボールなんて贅沢。」
「無くなったら買えば良いさ」
「女は良いモン食べて、舌肥えさせねえとロクな男が寄ってこない」
「それ、私の死んだおじいちゃんもよく言ってた」
ハイボールには独特の作り方が有る。この人はそれを熟知しているのだろう、慣れた手つきで二つのグラスに美味しそうなアルコールを注ぎだした。
「なんか変な感じね、二人で家でお酒飲むなんて」
「俺の仕事が不定期だからな。明日は事務所仕事だから、俺がこの時間に飲んでも平気なだけで」
「それに合わせる私も大変なもんよ」
「知ってる。」