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シャネルを着た悪魔
第10章 ☆CHANEL NO10☆
「整形しなくても日本の血が入ってるから、顔がそこら辺の男よりも格好良いのは分かってたし、背も高かったからな」
「イケル。と思って歌もダンスも何も練習せずにコッソリ履歴書送って──オーディションに一発合格したんだ」
「凄いじゃない」
「ああ。だけど、親父は大反対だった。帝国の息子として芸能人になるのか?と怒り狂ってたのをイさんから聞いたんだよ」
「でも嫁や兄貴は大万歳。跡取り争いのライバルが居なくなるからな」
「いつまでもヒョンに頼ってられないってずっと思ってた」
「で、都合の良い時だけ親面しやがる様な──俺のオンマの病気にも気付かない・言う事も聞かない、そんな男の金に頼る様な生活はしたくなかった」
「芸能人っていう、自分で道を開いて自分でお金を作る職種が最適だった訳だ」
「そう。だからBNの代表とは──俺が今年で27だからもう13年の付き合い、だな。」
「生活はどうしてたの?」
「イさんが特別に借りてくれた小さいアパートから学校と事務所に通ってた。学費とかその他のお金はオンマの保険金から出した」
「イさんってすごいよね。会長に歯向かった訳だもん」
「ああ。でもあの人の俺に対する愛情とオンマに対する愛情は本物だって親父も分かってたから、一線引いて託す事にしたんだと思うぜ」
「まあ、売れる訳ねえから戻って来るだろ。ってタカ括ってた部分もあっただろうけどな」