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シャネルを着た悪魔
第10章 ☆CHANEL NO10☆
「極貧だったけどな。保険金全部使い込む訳には行かねえし、だからと言ってダンスも歌のレッスンも体力使うから腹減るし」
「そんな生活を2年続けて、16の時。俺達サファイアのメンバーが集まり出したんだ。」
「初めは宿屋でジンと二人での共同生活、そこからジミンが増えて──最後はルイとロイが増えた。」
「俺がデビューしたのは20歳の時だから、六年は練習生してた事になるな。」
「でもデビューしてまもなくは売れてなかったんでしょ?」
「ああ。売れ出したのは22から。14歳から22までの八年間は、マジで辛かったぜ。強がってヒョンとも縁切って一人で生活し出したは良いけど」
「やっぱり出来ねえもんなんだよな。ってか人生、上手くいかねえんだよ」
「何も苦労してない様なヤツは、練習生になって一年足らずでデビューして、直ぐに人気アイドルになる。」
「でも俺みたいに苦労が多かった側の人間は、そこから又……何度も何度も苦労してやっと一輪の花が咲く」