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シャネルを着た悪魔
第10章 ☆CHANEL NO10☆
「ああ。」


「そしたらな、俺が芸能人でお前の元彼って事もあってかみんなが口を開いてくれた。『どうやらウチの会社に韓国の帝国グループからの圧力がかかったみたい』って」

「ええ!?」


「まあ、その時に話しを聞いたのはお前の上司とかラテリーナの現場の人間。つまり実際に帝国と関わった『上のヤツ』じゃないからさ」

「確信も証拠も何もなかったんだけど。……でもふと、お前に対して異様な行動をしてたテヒョンの事を思いついた」


「──で、その話を聞いた次の日かな。俺の事務所に帝国直々に赤札がきた」

「……赤札?」


「嗅ぎまわるなって事だよ。俺の顔を潰さないためにもそこまでキツイ事は書いてなかったけど『関わるな』とは書かれてた」

「それがどういう意味か分かるか?」


「──。」


「これ以上、嗅ぎまわったら俺の事務所にも圧力掛けるって事だ。そうなったら俺ん所は小さい事務所だし色々とヤベーから一応、一線引いた形には持っていったけど」

「まさか、それが本当だったなんてな」


「そんなに話は進んでたの?」

「いや、ちょっと待てよ。まず説明しろ、どうして帝国に圧力をかけられる様な事になったんだ?」


「それは──」

「帝国はアミューズと絡んでいない筈だろ。じゃあリサが直接、あの一族に何かをしていた訳ではない」


「……。」

やっぱり、バラエティが出来る男はバカではない。



「ソンテヒョンの母親って日本人だったよな。」

「……あれから帝国の事を調べてた。あの財閥は親日だ。震災の時も他の財閥より多額の寄付をして未だ、あの災害を風化させない様に色々な取り組みや支援を行ってくれてる」


「なあ俺の考えすぎか?──それとも、考えてる通り……」


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