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シャネルを着た悪魔
第2章 ☆CHANEL NO2☆
──そんな事を思い出して自然と口角が上がる。
リョウのことが好きではないと胸をはっていえるけど、そういう女にさえも胸キュンとやらを与えてしまうのが彼の魅力なのだ。
そして、それは憎い事に私と彼が終わったひとつの原因でもある。
「──……指輪かぁ」
ジュエリーボックスを開くと、ゴールドの指輪が出てくる。
そしてランボルギーニを愛車として選んだリョウの趣味らしく大きな大きな宝石が真ん中に飾り付けられていた。
「これ…」
綺麗に淡く輝くターコイズブルーをした石。
宝石の中で最もエレガントで美しい石とも言われるスターサファイアだ。すごく高貴で価値がある。
「まさかの……スターサファイアなんて……。」
「さすがにこれはお礼言わなきゃ!」
残りの紅茶を急いで飲み干してから、ショートメールを送信した。内容は至ってシンプル。
『まさか、スターサファイアだとは思いませんでした。現金な女なので有りがたく受けとります。ありがとう』
ただこれだけ。
でもメールとは裏腹に気持ちは、かなり舞い上がっていた。
私は根っからの『プライドの高さ』を持っている。だからこそ、女が輝ける宝石や自分に似合う少し値の張る服などは大好きだった。
そして、彼はすぐに返事をしてきた。
彼の方こそシンプルで【現金な女め】という本質をよく突いたもの。