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シャネルを着た悪魔
第11章 ☆CHANEL NO11☆

自宅に帰ったのは四日後だった。幸い傷口は浅くて、そこまで入院する必要もなかったのだ。

毒の進行も進んでいなくて──全てが奇跡的だった、と言おうか。

あと傷口が3センチ深かったら……発見が8分遅かったら……そんな僅かな奇跡が大きな奇跡を呼んだのだ。

実家には迷惑を掛けたくないから友達の家で過ごす、と伝えてた。

一日連絡取れなかった事は、私が向こうで酔いつぶれてると思ってたらしい。

フラッシュの様な光る携帯が目に入った為お箸を止めて、スマホを見た。

彼からの返事だ。


それはスゴく冷たいものだった。


『ロキソニンの飲み過ぎて頭おかしくなったか?』


「こ、こいつ──。」

「お姉ちゃん、顔が怒りで凄い事になってるで。誰?彼氏?」


彼氏!と胸を張りたいけど、まだ内緒にしておく。

私がせっかく本気で考えて、やっと彼に伝えた内容はあの夢の事だった。

彼女のティーカップに入れられてたのも毒だろう。そして私の事を刺した刃物に塗られてたのも毒。

──引っ掛かったのだ、夢だと云うのに……共通点の多い今回のこと出来事に。


『実は、韓国に行ってから定期的に見る夢が有るの。』

『どんな夢?』


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