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シャネルを着た悪魔
第11章 ☆CHANEL NO11☆
『ブロンドの美女……って言っても大事なところで顔は見えないんだけどね。その人が主人公で、彼氏と思われる人は黒髪の男性。これも顔見えないの』

『白人か?白人だったらお前の先祖でも無さそうだな。』


まるで25を越えたもの同士の会話だとは思えない。でも私は本気だった。

『一番始めに見た夢は、ブロンドの女性がひどいことを言われて泣いてた。そして──舞台の上で銃で打たれて死んだの』

『二番目は、大歓声の中、ブロンドの美女がその男性のお誕生日を祝ってる図だったかな。』


『三番目は──ヘルプって殴り書きしてた夢。なんかFBIみたいな怖い男達に脅されてた夢だった。』


『一番直近の夢は?』


『ティーカップに毒を盛られてたの。彼女の最後の言葉は"彼は私を愛してくれなかった。なぜなら私が彼を愛し過ぎたから"みたいな感じ』


『何だそれ?なんでそれが気になるんだ』

『だって、夢と分かりながら夢を見るのよ。まるで何かを訴えかけているようでしょ──。毒っていうのも引っ掛かる、私が刺されて眠っている時に見たから余計ね。』


この長文の後に来たのが、例のロキソニンで頭が可笑しくなってるんじゃねえの、疑惑だ。

堪ったもんじゃない。

今風の言葉で言うなら、私はロキソニンの使用療法は守ってるし『パキルはずがない。』これに限る。

大きく溜め息をついて、スマホから手を離すと母親と妹は不思議そうな顔をして私のことを見た。

「アンタ、帰阪してから様子が可笑しいけどどうしたの?向こうに居た彼氏にフラれた?」

「あーそれか、リョウさんに復縁申し込まれたとか?!」


「あのねえ、この柳沢リサやで。リョウからの復縁希望なんかずっと前からやし、振ることは有っても振られることはないわ。」

「出た、お姉ちゃんのこの性格…」


「「あんたも人の事言われへんやろ」」丸被りする母と私はやっぱり血を分けてもらった親子。

ここにお父さんが居て──

そう、お父さんが生きてたら──。

きっと仲良しの家族の姿を優しい笑顔で見つめてるんだろうな。私が8歳の時に死んじゃったから、もう顔もハッキリと思い出せない。

四人で映った家族写真は、まだ色褪せることなく埃か被ることもなく──テーブルの上で輝いていた。


私が刺されたことを知るのは、きっと天から見守ってくれてるお父さんのみだ。

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