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シャネルを着た悪魔
第11章 ☆CHANEL NO11☆
「でもイさん、なぜ私に電話を?」
「リサさんに許可を貰わないといけない事があってね。」
「テヒョンが帝国継ぐとか継がないとかですか?」
少し笑いながら、そう返すと彼も笑った。否定の意味を持つ笑いだ。
「彼が死ぬと言い出したんだ」
「WHAT?!」
「はは、そりゃそうなるよね。」
「いやいや意味が分からない…。彼は二日、日本に居てくれて──最後は、笑顔で帰っていきましたよ。」
宅配で頼んだ串カツを感動した様に食べてたし……。死にたいって言い出す様な躁鬱みたいな素振りは無かった。
「まあ、聞いて欲しいよ」
「……。」
「彼は今回のこの事件の犯人を自分のサセンだと思ってる。その事も含めて、許せないみたいなんだ。」
それは彼の滲み出る表情や、たまに出る一言でも分かった。
「もしかして、また帝国の力を使うって言い出したんですか?」
「──さすが、本物のカップルになっただけあるね。その通り。」
肩の力が抜けた様な感じ。
また帝国か。
心配してくれてるのは分かってるけど、アート財閥の時も絶対に帝国の力を使ったはずだ。
正直、最近は彼が私の為に疎遠になってたハズの一族の力を使い過ぎてる。
それは──どうなんだろ。
ポジティブに考えると、疎遠になった過去が有ったとしても……頭を下げて助けて貰いたい、愛されてる女。という事になるんだけど。