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シャネルを着た悪魔
第2章 ☆CHANEL NO2☆

「うわーやっぱり良いホテル!さすが世界のヒルトン」

「屋上のイタリアンを予約しているんだ。先方より先に着かないといけないから、10分ほど待つかもしれないが」

「もちろん、待ちますよ~」

何とも軽い返事だろうと、言った自分で呆れた。


今日のメイクは、ワンポイントとして唇の左斜め上に黒子を書いてみた。

マリリンモンローメイクと名付けたこれは、ポイントとして黒子の他に眉毛にカーブを付けることとチークはピンクとオレンジを混ぜること、というのがある。

口紅はどのシーンでも変わらないシャネルの446。

派手な今日のスーツにはよく似合うと思う。


自分を可愛い!と思えると通勤中もまるで女優になった様に思えるのだから女というのは便利なものだ。


そして、今日は魔法の宝石がある。

女が輝ける魔法の品───…。


リョウのプレゼントのセンスは私よりも少し派手だけど、合わせる服やメイクによっては史上最強の武器になる。



だからこそ、彼自身が18歳でデビューした芸能界という世界に悪い意味で飲み込まれることなく10年間も若手俳優としてのトップの座を渡すことなく活躍出来続けているのだろう。


きっと演技にも『センス』は有るはずだから。

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