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シャネルを着た悪魔
第12章 ☆CHANEL NO12☆
連れて来られたのは、韓国料理屋さんだった。どうやら本店はプサンにあるらしい。
プサンと言えば日本の大阪、そこからホンデの此処に新店をもってきたんだから……味は確かなんだろう。
隣には、日本でも有名なフグ料理屋さんが入っている。
私たち以外には、丸くなったカウンターにご老人の夫婦二組しか居なかった。
個室の扉は全部開いていたから、閑古鳥が鳴いてる状態だろう。
ウェイターも割りと年増しで、落ち着いた雰囲気のこの『RED』はオリオンモールの最上階に有る。
「どれにする?」
「私、Bコースで良い。」
「珍しいな、おめえが一番高いの頼まないなんて。」
「何、その言い方。私、別に値段で決めてないけど。しかもCは私が食べれなさそうなの多いし。」
「じゃ俺もBにする。飲み物は?」
「ワイン開けよう、白が良い」
「じゃあ──Bコース二つと、白のワインオススメで。甘いのでお願いします」
最後に付け加えた言葉は、思いっきり私の好みだ。
そっか、もう半年の共同生活。ワインの好みくらいわかるよね。