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シャネルを着た悪魔
第12章 ☆CHANEL NO12☆
私もテヒョンがウイスキーならブラントンか響が好きって事を知ってる。他にもフルーツならイチゴとさくらんぼが大好きなことも。

食についてお互いが互いの理解を深めれば夕食の時間は楽しくなる。



「そういえばさ」

「ん?」

サングラスを外した彼。個室だから安心しているんだろう、入る時は必ずノックをしてくれるしね。


「今日も飛行機で夢見たの。」

「ははっ、例のブロンド美女か?」


「そう。──また始めに戻ってた」

「スタートってことか?その黒髪の男との出会いから見たのかよ。」


「違う。また──殺される瞬間を見たの。」



「何だそれ、おめえ本当にロキソニン、バカみたいに飲んでねえだろうな?」


「飲んでないって。……でもねテヒョン、ご飯前に申し訳ないんだけどさ」

「何だよ。」


「私、グロいシーンなんか見たことないから脳裏に焼き付いてるハズないのに……その瞬間は本当に鮮明なの」

「一瞬にして、知識の詰まった脳の散る瞬間とか。」


眉間に皺を寄せた彼。


「……ゴメン。」


「──。お前は、その夢が何か関係あるって思ってる訳だろ?」

「うん。」


「でもな俺もお前も黄色人種だ。白人が混ざってる顔立ちでも無えし、先祖とかそういう訳じゃねえだろ」

「それは、そうだと思う。」


「だろ?じゃあ…考えすぎなんじゃねえの。最近色々なことが有っただろ。」

先に持ってきてくれた水を同じタイミングで飲んだ私達。


彼の言いたいことは分かる。

だけど、ここまで何度も同じ人物が主人公の夢を見るなんて──そんなの本当に有り得るのかな。

頭に浮かぶのは、ブロンド美女が最後に呟いた言葉を発する瞬間──ああ、本当なんなんだろう。


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