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シャネルを着た悪魔
第12章 ☆CHANEL NO12☆

沢山の普通の話をして、バカ言い合いながら笑い合った。デザートは、韓国特産のミカンを使ったシャーベット。

彼はミカンが苦手らしいから私が二つ、食べてあげることにする。


「……ああっ、やばい」

「次から次へと何なんだよ。おめえ今日はかなり喋ってるぞ」


「お腹痛くなってきちゃった」

「知らねえわ、食い意地貼るからだろ。トイレ行ってこいや」

犬を追い返す様な手つきで、シッシッとされる。


その行動に怒る元気も無くなってきた。



今までは我慢しながら話せてたけど──キリキリと突然痛みが酷くなる感覚は、生理ではない。


となると、ウニに当たったのかな?

でも火を通してたら当たらないはずだ。


じゃあシャーベットで冷えた?……それは有り得ないよね。三歳時でもないし、そこまで柔な身体じゃない。



顔を真っ青にしながら個室のドアを強引に開いて小走りで部屋を出た私を、目を大きくして眺めていたテヒョン。


痛みに強い女が腹痛を訴えるなんて、相当なんだ。

あんな態度してくるけど……。あいつには労いとかないのだろうか。言っても仕方ないから言わないけど。


高いヒールが真っ白の地面とぶつかる音を高らかに響かせながら、ふぐ屋さんの隣のキレイなトイレに駆け込む。


下を向いて、顔を押さえるけど──何かが体内に放出される気配も、痛みが収まる気配もなかった。


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