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シャネルを着た悪魔
第12章 ☆CHANEL NO12☆
『 御堂筋を二人で歩く 君の笑顔が輝いて』
『太鼓の人形の前で 変な顔をする君をバカにしてみた。』
『笑って怒って忙しい君だけど 大阪という 幾つもの恋が生まれ消えたこの町で 僕たち何年一緒に居れるんだろう?』
『サランヘヨなんて言葉 君には似合わない。 僕はただ格好付けずにこう言いたいんだ。 "君の側に居たい"と』
『雨の日も 晴れの日も 君と歩きたい御堂筋』
『引っかけ橋から見える 道頓堀川に二人の恋を落としてしまわない様に…』
何かに取りつかれたかの様に目が開く。
診察室のベッドで寝ている私が起きた事には、先生も──多分、その前に座っているであろうテヒョンも気付いていなかった。
目が覚める直前に脳内で流れた曲は私が大阪に居る間に、彼が作りYouTubeに載せた曲だった。
題名は『大阪LOVER』
まるで、関西人が書いたかの様な歌詞に驚いたけど……彼の日本語を話せないキャラはあくまでも素振り。
私が家族と電話しているときも、話の8割りを理解しているのに気付いていた。
つまり、この歌詞を一人で大筋仕上げてルイ君達に手直ししてもらった、という可能性が一番アツいだろう。
……それにしても、BNも日本人とテヒョンの熱愛報道が未だ尾を引いてる中で、よくもこの歌を載せることを許した事だと思う。
やっぱりSMAPと一緒で、サファイアまで来たらある程度は自由なんだろう。
すっかり痛みを消え去ったのを確認しながら、すーっと息を吐いた。
「……リサ?」
「完全復活ね、起き上がるのは怖いけどお腹の痛み、全然無いわよ。」
上から覗き込む彼の瞳は充血していない。良かった……この前みたいに、泣きはしなかったんだ。
「先生、熱いお茶貰って良いですか」
「あ……ああ。」
「席も、少しだけ外して貰えませんか?」
「それは分かってるよ。お茶を持ってきてあげるから、とりあえず待ってなさい。」
韓国語の会話が理解できるなんて、ちょっと嬉しい。