この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
シャネルを着た悪魔
第12章 ☆CHANEL NO12☆

静かになった診察室。気を使ったのかナース達も外に出てくれた様だった。


余りにコマが進みすぎてるこの物語に、付いていけないのは、どうやら私だけじゃないみたいだ。


目の前のテヒョンも、何から話せば良いのか分からない──と云った顔をしている。

だけど眠っていた私の方がもっと分からない。

お茶を啜りながら、彼が口を開くのを辛抱強く待つしかなさそう。


「なあ」

「何?」


「何か、呆気に取られてるんだよ。俺」

「何に呆気に取られてるの」


「この状況、すべてに」

「──私、何があったの?」



「もう深呼吸して勿体ぶるのすらも可笑しく思えるほど、出来過ぎてて、話のスピードが早い物語を俺達は進めていってるみたいだな」

「………。」


「ドラマも小説も、ノロケシーンばっかの、ほのぼのしたヤツは視聴率が取れない。これは常識だ」

「だから誰かが死んだり、悪いヤツが出てきたり、誰かが記憶喪失になったりする。」


「──でもなあ、お前と俺のこのストーリーは……俺、出来過ぎだと思うんだ。」


「妊娠してたの?」



「料理にも含まれてた、前言った──毒薬が。」


……確かに出来過ぎだ。

彼との子供が出来て、それで腹痛を起こし、結婚します!っていう甘いストーリーを想像した私がバカ過ぎる。

もう痛みなんて無いはずなのに、また心なしかキリキリお腹が痛んできた気がした。


「前と同じのが、って事?」

「ああ。ただ、今回は微量。だからリサは今生きてる」

ジェイソンボーンに成れるかもしれない。

私はこの二ヶ月の間に何度死にかけてるんだろう。刺された次は毒薬混入……か。

テヒョンが、死んだ様な笑顔を浮かべた理由が今分かった。


「10分後くらいに帝国からヒョンが来る。」

「……イさん?」


「ああ。──申し訳ねえけど、俺……もうどうしたら良いか分かんねえよ」



/490ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ