この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
シャネルを着た悪魔
第12章 ☆CHANEL NO12☆
言った通りだった。ちょうど10分後、診察室のドアが開く。
お付きの人が医者に何か話しかけているのが見えた。もしかしたらこの病院は帝国が資本を出したのかもしれないな。
「──リサさん!」
「イさん、わざわざ有難う御座います。」
「大丈夫なのか?」
「はい。どうやら前の時に入れられてた解毒剤と点滴が聞いたみたいで。今は全然お腹痛くないですよ。」
妙な光景だなあ。
スーツを着た紳士と、ベッドに座る私、そしてサファイアのリーダー・テヒョンが三人で診察室に居る。
先生の机の上には、私達の飲みかけのお茶が置いてあった。
「……ヒョン、俺──。」
「お前がそんな顔してどうするんだ。誰よりもそんな顔をしたいのはリサさんだろ。」
「……分かってる。」
イさんは、バッグの中から資料を取り出した。韓国語と日本語が書いてある。
「これは?」
「日本の警察に問い合わせたものだ。まあ、極秘に貰ったやつだから口外しちゃいけないんだけど──リサさんが被害者だからね、伝えておかないとと思って」
「……。犯人が分かったんですか?」
「いや、それがまだなんだ。どうやら日本人女性じゃない説が出てきてる」
「じゃあ何人?」
「そこまでは。」
「上の見立てではタイか韓国、中国だという話が出てるらしいけどね。まあ、向こうも必死だよ、何て言ったって帝国に圧力掛けられてるんだから」