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シャネルを着た悪魔
第12章 ☆CHANEL NO12☆

言った通りだった。ちょうど10分後、診察室のドアが開く。

お付きの人が医者に何か話しかけているのが見えた。もしかしたらこの病院は帝国が資本を出したのかもしれないな。


「──リサさん!」

「イさん、わざわざ有難う御座います。」


「大丈夫なのか?」

「はい。どうやら前の時に入れられてた解毒剤と点滴が聞いたみたいで。今は全然お腹痛くないですよ。」

妙な光景だなあ。

スーツを着た紳士と、ベッドに座る私、そしてサファイアのリーダー・テヒョンが三人で診察室に居る。

先生の机の上には、私達の飲みかけのお茶が置いてあった。

「……ヒョン、俺──。」


「お前がそんな顔してどうするんだ。誰よりもそんな顔をしたいのはリサさんだろ。」

「……分かってる。」


イさんは、バッグの中から資料を取り出した。韓国語と日本語が書いてある。

「これは?」

「日本の警察に問い合わせたものだ。まあ、極秘に貰ったやつだから口外しちゃいけないんだけど──リサさんが被害者だからね、伝えておかないとと思って」

「……。犯人が分かったんですか?」


「いや、それがまだなんだ。どうやら日本人女性じゃない説が出てきてる」

「じゃあ何人?」


「そこまでは。」

「上の見立てではタイか韓国、中国だという話が出てるらしいけどね。まあ、向こうも必死だよ、何て言ったって帝国に圧力掛けられてるんだから」


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