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シャネルを着た悪魔
第12章 ☆CHANEL NO12☆
「ええ、結局圧力かけたんですか?」
「少しね。ほんの少しだけ。」
そんな言葉信じられない。
きっと思われてるんだろうな。この被害者の女性は何者なんだ、って。
「……テヒョン、顔をあげて何か話したらどうだ?いつまでもそんな仏頂面してても何も解決しない」
「まずは、なぜリサさんが狙われたのか・手に入りにくいと言われているリシンの毒を何故犯人は持っていたのか、そこから考えていこう。」
「──なあ、ヒョン」
「どうした?」
「もうこんな事になるなら、俺達離れた方が良いのかもしれねえな。」
──その一言は胸にドシっと来る。
彼が神経質で何よりも身内を大事にすることは私も知ってる。
「──そんな事言わないでよ。サセンの仕業って決まった訳じゃないでしょ」
「ははっ、オメエも往生際が悪いよな。まだそんな生ぬるい事言ってんのか?海外の人間が容疑者だって言われてるんだぞ?」
「まず、お前が側に居たいって言ったって……今後こんな事がまた続いたらどうする?」
「続かない様にするのが警察の役目でしょ。」
「外国人なんだろ?じゃあ、どう足掻いても無理だよ。相手の政府がどう出るかも分からないし、既に帰国してるかもしれない。」
「あんな街灯も監視カメラも無い様な町で刺されてんじゃねえよ」
「……なっ。」
「お前は俺の側に居たい。でも俺は、又こうなったらその度に飛んで来ないといけねえのか?」
「今日みたいに野次馬に囲まれるのを知りながら、隠れる様にコソコソと裏口から出ていかないと行けねえのか?」
「私のせいだって言うの?」
「……誰のせいでもない。」
「ただ、本当の事をいってるだけだよ。俺にも仕事があるし、俺の仕事は特殊だ。全てをお前に合わせて行動なんて出来ない」
「──まるで私が悪いみたいな言い方ね。」