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シャネルを着た悪魔
第12章 ☆CHANEL NO12☆

「──いったっ……」

大きな窓から部屋を照らす太陽がうざったい。

フカフカのベッドも質の良いバスローブも今の私には勿体なさ過ぎる。


部屋に散らばっているビールの空き瓶やシャンパンの空き瓶……。──夜見ると、それほど汚くもなかったけど日に照らされた今見ると相当、だ。

自分の部屋でさえもここまで散らかした事はない。


「……はあっ」

冷蔵庫に一本だけ残っていたミネラルウォーターを一気に飲み干した。

本当はお酒なんて絶対ダメなのに……。

さすがに昨夜、あんな言い方をされてそのまま素面で寝るなんてムリだった。


結局イさんが、病院から一番近い帝国の買収したグループがしているホテルに電話をして予約を取ってくれた。

あのゴールドカードはイさんも持ってるらしい。そりゃ、立派な側近だから当たり前だけど。


ガンガンする頭を押さえながら、ソファーに倒れ込もうとした時、インターホンが鳴る。

誰だろう?サセンか?

──サセンなら、あんな男くれてやる。


「──はい」

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