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シャネルを着た悪魔
第2章 ☆CHANEL NO2☆

そこからは、ヒルトン特性のフレンチ料理とお酒が運ばれだした事もあって終始和やかな雰囲気で終わった。


ウチの会社が全勢力をあげて──このホテルの──このレストランの──特別個室を二日前に確保しただけあって、スターたちの笑顔を見れた。

それは嬉しいし誇らしい事だと思う。ホステス要因だとしても……営業マンとしては、やっぱり人の笑顔を見れることは嬉しい。



だけど彼たちは大スター……なのだろう。

二時間も経たない内に約束の時間になった。


私はその間にワインを二杯飲んで良い感じに仕上がってきている。


タバコも吸いたいし、そろそろ良いだろう。

そう思って上司に目で合図をしてから、バッグを持ち席を立った。


お会計場に向かうと、綺麗な女性が可愛い笑顔で待ってくれていた。さすが一流ホテル。

コース終了時間から計算してくれたに違いない。


「只今、こちらのサービスとしてフルーツをお出しした所です。お会計で宜しいですか?」


「フルーツ出たんですか?」

食べ終わるのに、五分から十五分くらい。

「あ……じゃあちょっとたばこを吸ってきます。領収書だけ先に書いておいて貰えますか。宛名はこれで」

名刺を渡して私は電話をしているフリをしながらレストランを出た。

すぐ近くに喫煙所があるのは知っている。二、三分で帰ってこれるだろう。


歩く度にキラキラと輝くスターサファイアの指輪が、リョウを思い出させる。




『今ごろ、彼も撮影頑張っているんだろう。』なんていうカップルみたいな事を考えてみたりもした。


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