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シャネルを着た悪魔
第13章 ☆CHANEL NO13☆
「僕も予知夢は信用しない方なんだ」
「だけどっ!」
「そう、だけど。それを伝えるために──」
「いや、君は後数時間後に行われる会見で僕がケネディ大統領みたいになるかもしれない。その前兆を私は知ったのかもしれない。」
「──そう思い、はるばる日本から会えるかどうかも分からない私に取り合ってくれた。違うか?」
「そうです」
全てのピースが揃いかけた瞬間に、私は動いていた。
「それはどうしてだろう?」
「──え?」
「君はテヒョンの母──愛子、というんだが。愛子の事も知ってるんだね」
「知ってます」
「僕が求婚を断り、その後直ぐに癌で死んだ事も、かい?」
「はい。」
「じゃあ話は簡単だ。アイツは僕を憎んでいるし父親だと思っていない。」
「芸能界入りする夢も反対されて──だからと言って、アイツが愛した母親に何も出来なかったし、アイツにも何も出来なかったからね」
「きっと、そういうニュアンスでその話をされた筈だ。それなのに──どうして今回、私にその事を伝えるためだけに行動をしたんだろう?」
「テヒョンは今でこそイと連絡を取ってるが形上は疎遠も同然だ。」
「今更僕が死んだ所で跡取り問題にも何も巻き込まれない。会社と帝国とテヒョンが綺麗に三つに別れているからね」
「テヒョンが最も愛した女であるリサさんが──何故、私を助けようとする?」